スーツケースの半分は

第一話の主人公、真美がフリーマーケットで買った3000円の青いスーツケース。

内側の小さなポケットに「あなたの旅に、幸多かれ」と書かれたメモ用紙が入っていた。

美しいブルーのスーツケースは真美の友人から友人にバトンタッチされて世界中を旅する。

しまいにはスーツケースの出自まで明らかになる。

人に歴史あり、物にも歴史あり。

九本の短編で構成されていて、それぞれの登場人物が、旅の中で自分の気持ちを大切にするという事に気づく様子が丁寧に描かれていた。